2025年3月に閉校する島根県奥出雲町の小学校で、最後の学習発表会が開かれました。児童たちは、保護者や別れを惜しんで集まった地域の人たちと一緒に学び舎での思い出を刻みました。
奥出雲町の高尾小学校で17日開かれた学習発表会、「高尾っ子まつり」。「大相撲高尾場所」で幕を開けました。わずか3人の児童たちは大忙し、相撲が終わると、急いで着物に着替えます。
一番の出し物「にこにこ寄席」が始まります。
児童数が少ない高尾小学校では、子どもたちに大人数の前でも物おじしない、たくましい心と自分を表現する力を育んでほしいと、10年ほど前から総合的な学習の中に落語を取り入れています。
子どもたちは少し緊張しながらも「饅頭怖い」や「時そば」など得意の演目を披露、会場は笑いに包まれました。
明治10年、1877年に開校した高尾小学校は2025年度、児童数が2人になることから当初の予定を1年前倒しして2025年春に近くの小学校と統合され、閉校します。
およそ40年の歴史がある「高尾っ子まつり」も17日が最後。別れを惜しむ地域の人たちや卒業生などおよそ150人が集まりました。
高尾小学校5年生・渡部真央さん:
「高尾っ子のまつりは最後なので、記念になるように持って帰ってほしい」
会場には3人の児童がそれぞれ考え、店を出しました。また、学校の歴史を振り返るコーナーも設けられ、訪れた人が当時を思い出し、懐かしんでいました。
卒業生:
「寂しいです。一年生の時にお弁当をひっくり返して先生のを頂いた」
児童の家族:
「寂しいけど、新しい光を求めて頑張ってほしい」
17日は、児童たちと交流を続けている歌手の木山裕策さんが、ミニコンサートステージで持ち歌の「ホーム」などを披露しました。
木山さんは児童の成長に驚きながら交流、卒業生なども加わって、校歌を大合唱し、ステージを締めくくりました。
児童・岸本結生さん:
「お客さんに笑ってもらったり元気になってもらえるから、いい活動だと思っていた」
児童・岸本大輝さん:
「最初からは考えられないぐらい自分で言うのもなんだけど成長した」
「終わってしまうのは悲しいことではあるけど、またスタートが出来そうと思った」
2025年3月の閉校まで4か月余り。子どもたちは地域の人たちといっしょに楽しいひと時を過ごし、学び舎での思い出を胸に刻んでいました。
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