世界遺産への登録をめざす滋賀県彦根市の彦根城で11月16日、江戸時代の屋形船をヒントにした観光用の「迎賓船」が就航した。大名庭園・玄宮園(げんきゅうえん)の池の上から、国宝の天守を望める。
江戸時代後期の絵図によると、彦根藩の井伊家10代当主・直幸(なおひで)の時代、ここに屋形船を浮かべ、客をもてなしていたらしい。
迎賓船は長さ6メートルの手こぎ舟で、定員4人。繊維強化プラスチックの田舟(たぶね)を修復し、ヒノキ、スギで外装して和船に仕上げた。
試乗した井伊家当主の感想は
世界遺産登録に向けた機運を盛り上げ、観光の新たな目玉にしようと、彦根観光協会が寄付を募った。事業費約300万円で「復活」させた。井伊家の家紋入りちょうちんを船首に立てる。
11月中は試行のため、予約すれば無料で乗れる。
大名の舟遊び気分を味わえること間違いなし。試乗した18代当主の井伊岳夫さん(55)=彦根市観光文化戦略部副参事=は「池の低い視線から城や庭を眺められ、ふだん味わえない感覚だ。世界遺産登録には市民の盛り上がりも大事。心を一つにする機運になれば」と話した。
来春から、有料で運航する。詳しくは彦根観光協会のホームページ(https://www.hikoneshi.com/)で。(小西良昭)
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