2021年に創建150年を迎えた熊本市の加藤神社では、このほど新しい社務所などが完成しました。この『令和の大造営』を祝う錦絵展が、熊本市の肥後の里山ギャラリーで開かれています。初代熊本藩主・加藤清正公を祀る加藤神社です。
『令和の大造営』として新しい社務所などがこのほど完成したことを祝い、熊本市中央区にある肥後の里山ギャラリーでは『加藤神社 錦絵展』を開催中です。
会場では、神社が所蔵する色鮮やかな錦絵の数々と古文書などが展示されています。勇猛果敢な武者・加藤清正を生き生きと描いた錦絵。よく見ると『佐藤 正清』という文字が。
江戸幕府は、徳川家や先の天下人・豊臣秀吉が治めた時代に活躍した大名家を描くことを禁止しました。そのため、人物の名前を変えた『偽名絵(にせなえ)』が流行。それが明治新政府の下では堂々と描かれるようになったため、人物の名前の表記によって描かれた時代が分かるそうです。
特にこの、縦3メートル、横2メートルの大きな作品が目を引きます。
【肥後の里山ギャラリー 小堀 俊夫 館長】
「虎と清正公というモチーフ。通常だと対立している形ですが、ご覧になって分かる通り、虎が寄り添っている、なついているということで、平和と共存・共生ということをモチーフとして描かれたということです」
千葉を拠点に活動する画家の井上 文太さんが天井画として加藤神社に奉納するもので、来年4月、拝殿の天井に飾られる予定です。
【加藤神社 湯田 崇弘 宮司】
「描いていらっしゃる所に見に行かせていただいたんですけども、初めて絵を見て涙をしまして。加藤神社のご神体のご尊像の清正公の姿を私は見させていただいているんですが、目つきが非常に似ておられて、井上先生はご存じじゃないはずなのに、『熊本の人が大好きな清正公の顔を描かれましたね』と話をしたら、先生も『清正公が僕に描かせたような気がしてるんだ』と」
【肥後の里山ギャラリー 小堀 俊夫 館長】
「熊本地震復興のために何か役立つことをやりたい、熊本の宝である清正公の絵を奉納したいということで、今回、筆を執られたということです。このように間近で向き合って見ることができる機会はこれを逃すとなかなかないと思われますので、ぜひご覧いただきたいと思います」
(画家・井上文太さんと陶芸家・細川護光さんの共作も展示)
会場には熊本出身の故・神宮司 正さんの切り絵作品も展示されています。
【来館者】
「やっぱり細かいところまでよく丁寧に、よく切り絵でできるものだと感心いたしました。錦絵はあまり見たことがなかったんですけど、感動しております。細かいところまで、にじむこともなく印刷されているのにびっくりしました」
この『加藤神社 錦絵展』は肥後の里山ギャラリーで、12月7日(土)までです。
入場無料/日曜・祝日 休み
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