アイドルグループAKB48の柏木由紀さん(32)が30日、東京・秋葉原のAKB48劇場で「卒業公演」に出演した。会場を埋めた約250人のファンに見守られながら、17年以上にわたって盛り上げてきた「ホーム」に別れを告げた。
- 柏木由紀さんが貫いた「アイドル道」 ファンを夢中にさせた17年
午後6時。卒業公演は、初めて単独センターを務めた最新シングル「カラコンウインク」で幕を開けた。
鹿児島県出身の柏木さんは2006年12月にオーディションに合格し、AKB48の3期生として加入。「ゆきりん」の愛称で親しまれ、名物イベントの選抜総選挙で最高2位に輝くなど、人気メンバーとして活躍した。
前田敦子さんや大島優子さんらと黄金期を築いてきたが、「今のAKB48も大好き」と言い続け、若手メンバーとの活動を楽しんできた。
この日もひと回り以上も年の離れたメンバーとともに、AKB48グループのシングル曲や公演曲などを次々と披露した。その姿に、ファンから大きな「ゆきりん」コールが何度もわき起こった。
アンコールを受けてドレス姿で登場すると、ソロ曲の「夜風の仕業」を一人で歌い上げ、続いてAKB48の代表曲「桜の花びらたち」を出演メンバー全員で披露した。
ファンに気持ちを伝える、あいさつの場面。
「まさか中3だった自分が、こんなに長くアイドルを続けて、AKB48にいるなんて夢にも思わなかった」
「今の、大好きなみんなに見送ってほしいのが最後に見つけた夢。それがかなった」
そう語った柏木さんは、涙で言葉を詰まらせた。
「まさかこんなに……。自分がアイドルが好きでやってるだけだと思っていたから、最後にみんなに『AKB48にいてくれてありがとう』と言ってもらえて、17年のアイドル人生、素敵な形で幕をとじることができて感謝しています」
最後は加入初期のチームBから歌いつないできた「初日」を全員で歌い、締めくくった。
終演後、午後8時を過ぎても、劇場裏には会場に入れなかった大勢のファンが集まっていた。(小松隆次郎)
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