日本のアングラ演劇界をリードした劇作家、演出家、俳優の唐十郎さん(84)が4日、21時1分に急性硬膜下血腫のため東京都内の病院で亡くなった事を受け、主宰する唐組の久保井研座長代理が新宿・花園神社の紅テント前で会見しました。
久保井さんは、昨日、唐組の春公演「泥人魚」の初日を迎える為の準備をしていて、帰宅したところ、逝去の報を受けたそうです。
劇団は4月に神戸・岡山で公演を行っており、出発する13日の朝、唐さんに「行ってきます」の挨拶をしたのが最後の対面だったそうで、久保井さんは、“いつもは(唐さんを)腕で抱え込む感じですが、その日は手を取るぐらいの支えで車があるところまで一人で歩いてこられ「元気そうですね」と、声を掛けたところ「そうなんだよ」と、笑顔を見せてくれました”と、その時の様子を明かしました。
また、今月2日に奥様から自宅で倒れたことを伝えられましたが、復帰を信じ準備を進めていたところに、今回の訃報を聞いた久保井さんは、“何とか舞台の幕を開けて…元気になった唐さんに見てもらおうと思っておりましたが…ただ、唐さんはこのテントと共にいると思いますので、何より芝居の好きな人だったので、…客席の後ろから見守ってくれてると思います”と、語りました。
そして、思い出に残る言葉として久保井さんは、“唐さんの言葉は全部が僕には宝物すぎて”とした上で、”「とにかく観客は待っている」「何があっても芝居を打つんだ。」「飯を食うように芝居をやる。」その言葉が一番残ってますかね”と明かし、唐さんについては、”深みにハマる沼のような感じですね。知れば知るほど、どういう人なのかよくわからなくなってくるというか、目指す山ではなくて何かハマる沼というんでしょうか?…そういう印象です“と、振り返りました。
なお、舞台「泥人魚」は、故人の遺志を引き継ぎ、予定通り行うそうで、通夜葬儀は近親者のみで執り行う予定。日程などは、まだ未定だと言うことです。
【担当:芸能情報ステーション】
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