講談師の神田伯山さん、声優の黒沢ともよさん、芹澤優さん、活動弁士坂本頼光さん、塚原重義監督が長編アニメーション映画『クラユカバ』の初日舞台挨拶に登壇しました。
本作は、神田さん演じる、探偵の荘太郎が集団失踪事件の謎を追い、“クラガリ”と呼ばれる地下世界に足を踏み入れる大正浪漫風なミステリーエンターテインメントです。
声優初主演となった神田さんは、“鬼のような現場でしたね。まさに鬼がいた”と回顧。“声優さんは一発で決めるという美学がある。声優じゃない素人が参加するにあたり最高の環境を整えてくれて。僕、何度も録り直すことが好きで、苦じゃないんですけど、今回初めて苦になりました。でも、これだけ一生懸命やったので、いい作品になって、監督の初の長編アニメーションに恥じないものになれたらとても光栄でいい現場だった”と振り返りました。
神田さんの起用を監督は、“主演を声優じゃない人がやるのは冒険だった。不安もあったけど、収録で最初のセリフを言った瞬間に僕も周りも息を飲んだ”とアフレコの様子を語りました。
しかし、そんな神田さんと監督の間には意見の違いからひと揉めあったようで、“長い収録で疲れ果てたときに、「(自分の代わりに声優の)中島ヨシキさんでいいんじゃないか?」って話したら、OKテイクが多くなった。「こいつ帰るんじゃないか」と思われていました”と当時、緊張に包まれた現場だったことを明かしました。
続けて監督も、“この話していいですか”と語り始め、“「監督、僕声優じゃないんで無理ですよ。他の声優さんでいいんじゃないですか?」って”と神田さんから降板の申し入れがあったことを暴露。その時点で3分の1録り終わっていたそうで、“周りのスタッフに「監督どうするんだ、お前が何とかしろ」って言われた”と苦労した様子を見せました。
そんな監督の話を聞いて神田さんは、“監督は創作能力が高いから嘘も言っちゃうんだよね。物づくりは大変で、お互いが感情的になるくらいの方が楽しい”とまとめつつ、“スリリングでしたよね?監督が帰るか俺が帰るか”とピリついた様子を語り、“次回以降、監督が素人声優を使わなくなったら僕のせい”と笑いを誘いました。しかし最後に、神田さんは、“監督の構想10年が、今日一番花が開いている会に同席させていただいたこと、色々ありましたけど嬉しく思っています”と笑顔を見せました。
【担当:芸能情報ステーション】
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