フルート奏者で俳優の神崎愛さんが18日、「卑弥呼(ひみこ)の生涯」と題した音楽ライブを東京・銀座の観世能楽堂で開く。「戦乱の倭国(日本)に平和をもたらした思慮深く行動力のある女性。私が思い描く卑弥呼像を、歌と語り、音楽で紡いでいきたい」と神崎さんは話す。
邪馬台国は魏志倭人伝(ぎしわじんでん)に登場する日本列島の国の一つだ。この国を治めた伝説の女王に興味を抱いた神崎さんと夫で外交評論家の宮本信生さん(87)は独自に行動をスタート。邪馬台国の所在地をめぐって論争がある奈良県の纒向(まきむく)遺跡や佐賀県の吉野ケ里遺跡を訪れ、文献や関連書をひもといた。「卑弥呼が女王の時代は一時的に騒乱が収まり、中国と交流したという説がある。卑弥呼は優れた政治家であり、外交にもたけていた」と宮本さんは推測する。
神崎さんは2009年から卑弥呼を題材に公演し、今回は新型コロナウイルス禍などで5年ぶりの開催。「ロシア軍によるウクライナ侵攻や、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区への攻撃など世界はいまなお戦争や紛争が続き、多くの命が奪われている」と神崎さん。「平和を希求した卑弥呼の心に思いをはせながらステージに臨む」と語る。
当日はベッリーニの曲に自ら詞をつけた「聖(きよ)き女神・卑弥呼」などを歌い、「春の海」(宮城道雄作曲)など国内外の曲をフルートで演奏する。また、卑弥呼に関する宮本さんの解説がある。
午後2時開演。チケットは3000~7000円。申し込みは観世能楽堂(03・6274・6579)。【明珍美紀】
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