栃木県佐野市出身で、同市で会社勤めをしながら製作、発表した作品が国内外で高い評価を受けている映画監督、田中晴菜さん(35)の新作「幸福な装置」など5作品が18~24日、東京都豊島区の映画館「池袋シネマ・ロサ」で特集上映される。
田中さんは県立佐野女子高(現佐野東高)から日本女子大に進み、東京・渋谷の映画学校で映像制作を学んだ。県内企業に勤務の傍ら、2016年から精力的に映画づくりに取り組み、18年に発表した「いきうつし」(30分)は同年の「あいち国際女性映画祭」の短編フィルム部門でグランプリを受賞。壬生町出身の長谷川葉生さんを主演に起用した「ぬけがら」(20年、15分)は第38回トリノ映画祭国際短編コンペティション部門で招待上映された。新進気鋭の監督として注目を集める。
演劇部の女子高校生3人を描いた「Shall we love you?」(22年、7分)は母校の佐野東高校で撮影し、「甘露」(23年、11分)は祖母が営んでいた駄菓子屋を舞台にした。最新作の「幸福な装置」(25分)はオスカー・ワイルドの「幸福な王子」から着想を得た作品で、重要なアイテムとして登場する心臓の形をしたオブジェは同市の天明鋳物の鋳物師、正田忠雄さんに製作を依頼した。
特集上映は各日とも午後8時半~同11時03分、5作品を連続上映する。田中さんは「愛する5作品です。ぜひご覧いただきたい」と話している。当日券は一般1600円、大学生1400円、シニア・障害者割引1200円。18、19、22日には田中監督や出演者らによる舞台あいさつも予定している。【太田穣】
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