大分県別府市での第82期名人戦七番勝負第4局(毎日新聞社、朝日新聞社主催、大和証券グループ協賛、九州電力、QTnet協力)2日目の19日、市内2カ所でプロ棋士による大盤解説会があり、約1200人のファンが楽しんだ。【石井尚】
大盤解説会はビーコンプラザと市公会堂であった。
ビーコンプラザでは午前、中田功八段や高崎一生七段らが登壇。1日目の対局を振り返りながら、封じ手となった「7七桂」を巡る攻防について解説した。途中から対局の副立会人を務める佐々木大地七段も登場し、参加者からの質問に答えた。
参加者から「どうすればプロ棋士を大分県から輩出できるか」と尋ねられると、プロ棋士はプロ入り前の練習方法を紹介。高崎七段は「実践や詰め将棋をやっていた」と話し、佐々木七段は「新聞の観戦記を使って、棋譜並べをしていた」と説明した。
大盤解説会に参加した別府市の中学3年、竹本朝洸(ともひろ)さん(14)は「プロの解説は一手動くたびに、いろいろな手を教えてくれて、面白い」と笑顔で話した。小学3年から将棋を始めた大分市の小学5年、濱本憲吾さん(10)は「(プロの解説を聞けるのは)めったにないことなのでうれしい。お父さんと一緒に新聞の記事を使って棋譜並べをしてみたい」と話した。
市公会堂では、対局の立会人を務める深浦康市九段も登場し、優しい語り口で、ファンらを和ませた。
温泉につかりながら観戦も
ビーコンプラザや市公会堂以外にも、市内の温泉につかりながら大盤解説会を観戦できるチケットも販売された。
会場となったのは上田の湯町の九日天温泉で、男湯、女湯ともに脱衣場にモニターを設置。湯船につかりながら大盤解説会の様子を見られるようにした。地元住民らもモニターを見ながら、対局の「勝負めし」の話題など将棋談議に花を咲かせていた。
九日天温泉の隣の公民館では、地元の女性らで作るグループがぜんざいを振る舞い、入浴客をもてなした。
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