藤本渚五段に敗れ、感想戦で対局を振り返る山下数毅三段=大阪市福島区の関西将棋会館で2024年5月21日午後7時40分、中川祐一撮影
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 将棋の山下数毅(かずき)奨励会三段(15)は21日、大阪市福島区の関西将棋会館で指した第37期竜王戦(読売新聞社主催)6組ランキング戦決勝で藤本渚五段(18)に敗れ、奨励会員初の優勝はならず、名人など8冠を持つ藤井聡太竜王(21)への挑戦者を決める決勝トーナメント進出を逃した。

 山下三段は1回戦でアマチュアの参加者を破り、2回戦から5人のプロ棋士に次々勝って決勝に進出した。決勝の相手の藤本五段は2023年度、51勝して伊藤匠七段(21)と最多勝利賞を分け合った若手のホープ。山下三段の先手番で相居飛車の戦いになり、中盤戦は山下三段が押し気味に進めたが、終盤に差し掛かるあたりで誤算があったようで逆転を許した。

 終局後、山下三段は「序盤、想定している展開からは外れて、ちょっと苦しそうだったのをなんとか盛り返してきたかなというところで急に悪くなってしまい、もっといい勝負になりそうだったので残念です」と悔しがった。藤本五段は「中盤は指しているうちにだんだん苦しくなってきている気がして自信がなかった」と山下三段の力を認めていた。

 山下三段は22年、中学2年生で三段に昇段し、藤井竜王に続く史上6人目の中学生棋士を目指したが、中学卒業までの3回の三段リーグ戦は最高成績が3位にとどまり、プロ入りはならなかった。竜王戦は決勝進出を果たしたことで、来期は昇級して5組に出場する。【新土居仁昌】

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