架空の映画制作を持ちかけて知人から1千万円をだまし取ったとして、警視庁は22日、宝塚歌劇団で「大滝子」の芸名で活動していた会社役員の小倉輝美容疑者(78)=東京都港区台場2丁目=を詐欺容疑で逮捕し、発表した。「お金は返すつもりだった」と容疑を否認しているという。

 小倉容疑者は以前、宝塚月組男役のトップスターとして活躍していた。

 王子署によると、逮捕容疑は2019年4月ごろ、70代の知人女性に対し、実際は所有していない不動産を担保にした映画制作への出資を呼びかけ、現金1千万円をだまし取ったというもの。だまし取った金は生活費や自身が主催するディナーショーの支払いにあてていたという。

 2人は約30年前に都内のイベントで知り合い、女性はディナーショーの手伝いなどもしていた。小倉容疑者は「昔、宝塚のトップスターだった」「吉永小百合と同じくらいの芸歴」などと女性に語り、信用を得ていたという。

 小倉容疑者のホームページによると、同容疑者は1963年に宝塚音楽学校を首席で卒業後、宝塚歌劇団に入った。「ベルサイユのばら」のフェルゼン役を演じるなど活躍。退団後は「光原エミカ」の芸名で俳優として活動を続けていたという。(比嘉展玖)

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