俳優の中尾彬さんが16日、心不全のため亡くなっていたことが分かりました。81歳でした。中尾さんは2004年に、福井テレビ制作のバラエティー番組に出演。明るい人柄で、ロケ先では県民と触れ合いました。中尾彬さんの福井での思い出を振り返ります。
       
2004年、福井テレビ「い~ざぁええDay」の旅人で越前市今立地区を訪れた中尾彬さんは、伝統行事「ごぼう講」の準備に飛び入り参加しました。歯に衣着せぬ物言いで地元の人と交わり、300年以上、今立地区に伝わる山盛りのごぼう料理を堪能しました。
   
また2012年には、妻の池波志乃さんと、勝山市のおろしそばをPRする「勝ち山おろしそば観光特使」に就任。勝山市内でつくられたそば殻染めのマフラーをプレゼントされ、さっそく身に着ける気遣いも見せてくれました。食通としても知られる中尾さんは、福井のそばについて「一番おいしいのは福井のおろしそば」と話し、市内のおろしそば店では4杯も完食して見せ、「とにかく食べてごらん。恐竜見たあとおろしそばだよ」福井のそばを絶賛しました。奥さんの志乃さんも「おそばも美味しいし、まず水が美味しくないと普通3杯も食べないよね」と言うと、中尾さんが「そりゃ図々しいだけだよ」と笑いを誘い、夫婦の仲睦まじい様子も印象的でした。
 
中尾さんを特命大使に任命していた勝山市は「中尾彬さんのご協力により多くの観光客が勝山市を訪れ、地域の活性化に大きく貢献してくださいました」とコメントしています。
 
当時の番組制作に関わった福井テレビのスタッフは「一見怖そうに見えるが、実際は優しく気さくな方だった。一言一言のコメントに温かみと博識さ、奥深さが感じられた。繊維・和紙・打ち刃物など、福井の産業や伝統工芸に対する熱いまなざしも印象的だった」と話しています。

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