愛媛県西条市で行われた農薬を使わない自然栽培の米を使って、日本酒が造られました。
こだわりの詰まったお酒には、高齢化が進む農業の存続を目指した強い思いが込められています。
愛媛県西条市丹原町川根地区の古民家。
できたばかりの日本酒の試飲会が開かれていました。
NPO法人きずな・森嘉代代表:
「みなさんの思いとお米の感謝と実りに感謝して、今年のお酒をみなさんと、初めて乾杯したいと思います。本当にありがとうございました。」
NPO法人きずな農業リーダー・藤岡伸行理事:
「本当に地元で自然栽培で出来たお米で出来たお酒で、何よりも感慨深いものがあります」
参加者らが酌み交わしているのは、純米酒「媛一会 周桑」。
地元で育てた自然栽培米「イセヒカリ」で仕込みました。
このお米を育てるのに一役買ったのが、EBCライブニュースが去年夏に取材した『アイガモロボ』です。
『アイガモロボ』は「地元の営農組合」とオーガニック農業の普及を進める「NPO法人きずな」そして「井関農機」がタッグを組み、去年初めて田んぼの除草作業に導入しました。
川根集落営農組合・黒瀬伸一組合長:
「安全な米作りということで無農薬米、減農薬米を試みる上で一番問題なのは除草の問題なんです。それがこういったアイガモロボで省力化できるという魅力を感じて、取り組んでいます」
アイガモのひなが田んぼを泳ぎ回り、雑草を食べる有機農法のひとつ『アイガモ農法』
ひなに代わって太陽光電池で動くアイガモロボが自動で田んぼを動き回り、スクリューで底の泥を巻き上げて雑草の成長を抑える環境を作ります。
アイガモロボの活躍もあって無事、実りの日を迎えたイセヒカリ、一部、雑草の被害があったものの、初年度としてはまずまずの収穫となりました。
この米で酒を醸したのは、創業120年を迎える市内の老舗酒蔵「武田酒造」です。
武田酒造・武田昇三杜氏:
「結構粒も揃っててしっかりしたお米かなと思います。(自然栽培米の)すごい力を感じるなというのはありますね」
仕込みは今年2月にスタートし、この春、武田酒造の銘柄を冠した「媛一会 周桑」が出来上がりました。
武田酒造・武田昇三杜氏:
「自然に恵まれている川根の土地とそこに住んでいる人々のぬくもりがうまくお酒で表現できたと思います」
川根集落営農組合・越智清孝副組合長:
「川根のイメージに合ったお酒に仕上がったと思いますね」
「奥深い奥の深いおいしいお酒です」
プロジェクトを企画したNPO法人の森代表は、新しく誕生したお酒をきっかけに高齢化の進む地域農業の活性化を目指しています。
NPO法人きずな・森嘉代代表:
「このお酒を作るためにみんなが思いを寄せる、そういう銘酒になったんではないかなと」
「自然栽培のお米が川根の中でどんどん広がっていって、そういう賑わいも、産地の中でつくれれば、人と人のつながり・交流がお酒を通してつくれればいいなと」
自然栽培米で醸した純米酒「媛一会 周桑」は5月30日から県内の酒販店を中心に1900円(税抜)で発売されます。
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