ハンセン病療養所「長島愛生園」(岡山県瀬戸内市)に10歳で入所した宮﨑かづゑさん(96)の生きざまを描いたドキュメンタリー映画「かづゑ的」が熊本、鹿児島、宮崎の3市で上映される。ハンセン病を背負って生き抜いてきた一人の女性のひたむきな姿を映し出している。
長島愛生園は1930年に国内初のハンセン病国立療養所として発足した。宮﨑さんは入所後に指や足を切断したが、自ら買い物や料理をし、78歳でパソコンを覚えて2冊の著書を出版した。監督の熊谷博子さん(73)=東京都=が8年間にわたって撮り続けた宮﨑さんや夫孝行さん(故人)の姿を119分の作品にまとめた。
熊谷さんは「ハンセン病を背景にしているが、ハンセン病だけではなく人間にとって普遍的なことを描いた」と話している。
熊谷さんは早稲田大を卒業後、水俣病の記録映画で知られる土本典昭さん(故人)と共同監督で旧ソ連撤退時のアフガニスタンを描いた「よみがえれカレーズ」(89年)や、三池炭鉱(福岡県大牟田市)の歴史を追った「三池 終わらない炭鉱(やま)の物語」(2005年)などを手がけている。
宮崎市の宮崎キネマ館で30日まで上映中。熊本市中央区のDenkikanでは24~30日、鹿児島市のガーデンズシネマでは24~27日に上映予定。Denkikanでは25日午前11時の回、ガーデンズシネマでは26日午前10時15分の回の終了後、それぞれ熊谷監督の舞台あいさつが予定されている。【西貴晴】
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