第82期名人戦第5局2日目、立会の屋敷伸之九段(手前)が読み上げた封じ手を指す藤井聡太名人(左)。右から2人目は挑戦者の豊島将之九段=北海道紋別市のホテルオホーツクパレスで2024年5月27日午前9時、岩下幸一郎撮影

 藤井聡太名人(21)に豊島将之九段(34)が挑戦し、藤井名人の3勝1敗で迎えた第82期名人戦七番勝負の第5局(毎日新聞社、朝日新聞社主催、大和証券グループ協賛、北海道紋別市など地元共催)が27日午前9時、紋別市のホテルオホーツクパレスで再開された。藤井名人が封じた47手目は検討陣の大本命の2四歩だった。

 陽気に恵まれて気温20度近くまで上がった1日目とは打って変わって雨模様となった紋別。最高気温は15度と肌寒くなると予報されている。1日目と逆に豊島九段、藤井名人の順に入室し、前日の指し手を再現した後、立会の屋敷伸之九段が封じ手の封を解いた。

 豊島九段の四間飛車に対して藤井名人が4枚穴熊の堅陣を組んだ1日目は、藤井名人が2筋からの先攻を見せ、豊島九段が受けて立つ姿勢で臨んだ局面で指し掛けとなった。封じ手の2四歩はその流れに沿って開戦した。藤井名人が更に5五歩と金取りに突き出すと豊島九段は1時間以上の長考に沈んだ。

 解説の広瀬章人九段は「大駒交換の決戦に進めば、名人がしばらく攻める展開が続きそう。挑戦者は耐えて反撃に回りたい」と話した。【丸山進、新土居仁昌】

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