衆院予算委員会で答弁する菅家一郎氏=国会内で2019年2月4日、川田雅浩撮影

 菅家一郎元副復興相は27日、国会内で記者会見し、安倍派からキックバック(還流)された計1289万円を原資に、自身が代表を務めていた党支部に寄付し、所得税の一部を税控除されたことを認めた。主なやり取りは以下の通り。

 記者 安倍派からのキックバックを原資にして支部に寄付をして、税優遇を受けていたのか。

 菅家氏 今回問われている2018年から21年までの派閥からの還付金1289万円を私が個人名義で政党支部に寄付した案件に関しては、控除を受けた部分の全額を(収支報告書を)修正した1月の時点で全額返還した。安倍派からの還付金は政党支部に私の名義で全額入金して収支報告している。個人寄付における税の還付金は全額、全て政治活動に使ってきた。

 記者会見する自民党の菅家一郎衆院議員=27日午前、東京・永田町の衆院議員会館

 派閥からの還付金1289万円で足りなくて、私の個人寄付として、1326万円を追加して政党支部に入金している。合わせて2615万円が、18年から22年に事務所で必要な経緯として、私個人から寄付してきた総額だ。個人寄付における税の控除額では足りないから入金をして、事務所活動費に運用してきたということだ。

 記者 今年1月までに返還した還付額は合計いくらで、それはいつからいつのものか。

 菅家氏 18年から21年までの間の個人寄付における税の控除ということになる。正確な数字は追ってご連絡申し上げたい。

 記者 全額国庫に返納したということか。

 菅家氏 そうだ。

 記者会見する自民党の菅家一郎衆院議員=27日午前、東京・永田町の衆院議員会館

 記者 いまは適法だが、厳しくするような法改正の必要性は感じるか。

 菅家氏 法律的には何ら問題なくやってきた。法をおかしたわけではない。ただ、寄付行為の控除のあり方は今、政治資金規正法等の議論をしているから、誤解を与えるような要素がないわけではない。ここはやはり議論すべき案件ではないかと思う。

 これは私だけではないと思う。他の国会議員さんだって寄付控除を受けられれば申請するじゃないですか。そこと今後どうするのかは別問題でしょう。

 記者 今回の場合は法的に問題ないというご主張だが、18年から21年までの税控除を全額返還した理由は。

 菅家氏 元々派閥からのお金で、派閥が名義を修正したわけだから、私の個人寄付を当然派閥の名義に変える必要がある。派閥の名義に変われば、個人の寄付ではないので、個人寄付した税の控除額は当然返還すべきだ。

 記者 返還した分というのは、派閥名義になった分の控除だけか。

 菅家氏 そうだ。1289万円、この部分が個人名義から派閥名義に変わったので、当然この部分に関する個人寄付の控除の総額は返還すべきということで、対応してきた。

 記者 修正したということは実質派閥のお金で、個人の金ではなかったということ。本来は受けられないような控除を受けていたということについては。

 菅家 そこですよね。ただ今回の場合は、うちの派閥が書くなと言った特殊な案件だ。派閥の対応が私は大きな問題だと思う。個人名義で寄付せざるを得なかった案件であり、なので今後どうするかというのは、検討すべき案件かなと思う。

 記者 議員辞職や離党などはしないのか。

 菅家氏 誤解を受けたことに対して、多くの国民の方に説明責任をしっかりと取り組んでまいりたい。

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