韓国・ソウルで約4年半ぶりに日中韓の首脳会談が開かれました。
核やミサイル開発を進める北朝鮮をめぐっては、それぞれの立場の表明に留まりました。
岸田総理は韓国・ソウルを訪問し、中国、韓国との3カ国首脳会談に臨みました。
東アジアの経済や安全保障などの課題を話し合う枠組みで2019年以来、約4年半ぶりの開催です。
岸田文雄 首相
「北朝鮮の非核化と朝鮮半島の安定が日中韓3カ国の共通利益である点を改めて確認した」
今回採択された共同宣言には少子高齢化対策や科学技術など、6つの分野について協力していくことなどが盛り込まれました。
朝鮮半島の非核化については、それぞれの立場の表明に留まりましたが、政治的な解決に向け、引き続き積極的に努力することで合意したということです。
北東アジアの核情勢に詳しい鈴木教授は「朝鮮半島の緊張緩和につながる一歩」と評価しました。
長崎大学核兵器廃絶研究センター 鈴木達治郎 教授
「去年の日・韓・米の首脳会談では『北朝鮮の』完全な非核化に変わっていた」「中国がアメリカとも日本とも話をしている。韓国とも今度話すということなのでそれを全部北朝鮮に伝えれば北朝鮮が少し動くかもしれないとの期待はある」
一方、台湾をめぐり中国と対立するアメリカに日本は慎重な対応が求められると指摘しました。
鈴木達治郎 教授
「3カ国の同盟関係がどんどん強化されていることに対する懸念も当然、中国は持っている」「日韓米の3カ国で軍事演習をしたり、緊張をさらに高めるような動きをしてしまうと悪い方向に向かっていく」
北朝鮮は日本側に27日から6月4日の間に人工衛星を打ち上げると通告しています。
岸田文雄 首相
「仮に発射を強行すれば国連安保理決議違反であり、北朝鮮に対して強く中止を求める」
韓国も「国際社会が断固として対応すべき」などと強調しましたが、中国は言及しませんでした。
日韓と中国の立場の違いが鮮明となった中、長崎の被爆者は非核化に向けた粘り強い交渉を求めています。
長崎原爆被災者協議会 田中重光会長(83)
「(ロシアを含む)隣接する6カ国が話し合いをしないといけない」「いつでも話し合いができる状態をつくっておくことが大事ではないか」
3者は会談を定期的に開くことで合意していて、協力強化に向けた今後の取組みが注目されます。
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