5月26日に投開票が行われた静岡県知事選は、前浜松市長の鈴木康友 氏が初当選を果たしました。生出演でこれからの県政運営のビジョンなどについて伺いました。リニアに関しては「これまでJR・国・県・流域市町がバラバラと感じた」とした上で、「今後は4者が連携し“推進”という同じベクトルで進めていく」と話しています。

まずは知事選の投票結果です。

・鈴木康友 氏:72万8500票
・大村慎一 氏:65万1013票
・森大介 氏:10万7979票
・濱中都己 氏:2万4315票
・村上猛 氏:1万5106票
・横山正文 氏:9263票 でした。

-当選おめでとうございます。一夜明け今の気持ちは?

鈴木康友 氏:
本当に接戦で、激しい選挙でした。事前調査でもどちらが勝ってもおかしくないと言われていましたので最後まで気が抜けない大変な選挙でした。

市町別得票をみてみると静岡県の35市町のうち、鈴木氏が得票で上回ったのは西部の8市町で、中部・東部の27市町は大村氏の得票の方が多い結果でした。 

-中部、東部では予想外に票が伸びなかったのでは?

鈴木康友 氏:
(私は)西部で強いと言うことが、中部、東部の方には「鈴木は西部の人間」と言うイメージとなり、苦戦するだろうと思っていました。選挙期間中に「オール静岡の鈴木」と訴えてきましたが、なかなか浸透していかないと感じていました

浜松新球場に中・東部の理解は?

-浜松の新野球場整備に税金を投入することに、中部・東部の人の理解が得られないのでは?

鈴木康友 氏:
球場だけに焦点が集まっていますが、今まで西部には県営の核となるスポーツ施設がなかったので、球場を中心に全体を開発して集客を図っていく。イメージ的には(北海道日本ハムの本拠地の)エスコンフィールドのようなものです。

遠州灘の公園事業については県と浜松市が一体となって整備をどうしていくのか、今後協議をしていくことになります。中部・東部は県営の施設がありますので、老朽化対策などが必要となってくる気はします。

-球場整備についてあまり言及しなかったのはなぜ?

鈴木康友 氏:
県民全体に関わる施策と比べれば争点になっていなかったからです。経済対策や地域活性化などをどうしていくのかという方が全体に関わる問題だと感じています。

-東部では医療格差是正に向け医学部や医大の誘致を言及していました。

鈴木康友 氏:
現実的にすぐに医大を誘致できるわけではないので、誘致までの間は例えば医学奨学金制度などを活用して東部限定の枠を作るとか病院同士の連携を進めるなどの既存の医療施設の有効活用を進めていきたい

「リニアはJR・県・国・流域が心をあわせて」

県の最重要課題ともいえるリニア問題。

テレビ静岡などが合同で行った出口調査では、県のリニア対応を「評価する」と答えた人のうち半数が「鈴木氏に投票」と回答しています。選挙期間中には岐阜県で井戸やため池などの水位低下が判明し、選挙演説で鈴木氏は川勝前知事の対応を評価し、「川勝前知事の良いところは継承し、課題を乗り越える」と訴えていました。

-リニアの早期開業を望む県民も多い中、どう取り組んでいく?

鈴木康友 氏:
とにかく進めていく前提で、水や南アルプスの生態系の問題などの課題をJR東海・県・国・大井川流域市町の4者が協議していくことが大切だと思います。4者が心あわせをして、どうやって現実的にこの問題をクリアしていくか。

課題をひとつひとつ解決しながら、結果としてリニアを推進していく。そういう方向性を打ち出していく必要があると思っている。

今までは何となくバラバラ感があって、ゴールポストが見えなかった。時にはゴールポストが動くようなことがあったりしたので、そうではなく4者が連携する中でひとつのベクトル、「リニアのプロジェクトを推進するんだ」と、そういうやり方でないと前に進まないと思う

オール静岡で幸福度日本一の県に

最後に今後の抱負を書いてもらうと…

鈴木康友 氏:
選挙中もスローガンとして訴えてきた「オール静岡で幸福度日本一の静岡県を目指します」です。県職員から現状についての説明を聞きながら、優先順位などもつけていきたい。

鈴木康友 新知事には、オール静岡で静岡県をまとめていく手腕を期待したいと思います。

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