自民党安倍派の裏金事件を巡り、菅家一郎元復興副大臣(比例代表東北ブロック)が同派から受け取った政治資金パーティー収入のキックバック(還流)を、自身が代表を務める政党支部などに個人名義で寄付していたことが27日、分かった。個人による寄付は「政党等寄付金特別控除制度」の対象で、菅家氏はこれにより148万2300円の所得税減額措置を受けていた。菅家氏が国会内で記者団に明らかにした。

菅家氏によると、2018年からの5年間で個人名義で政党支部などに寄付したのは2615万円。このうち、派閥からキックバック分は1289万円に上った。

事件発覚を受け、安倍派は1月、政治資金収支報告書を訂正し、裏金となっていたキックバック分を所属議員側への寄付として計上。菅家氏もこれに合わせて自身からの寄付を派閥からの寄付に修正し、控除分を全額返還したという。

菅家氏は「派閥から(収支報告書に)記載するなと言われ、個人名義で政党支部に入金するしか方法がなかった」と記者団に釈明。税額優遇を申請したことに関しては「顧問の税理士が対応した。控除分は全て政治活動に使った」と語った。

議員辞職や離党の考えはないかとの質問には「国民への説明責任をしっかり果たしていく」と答えるにとどめた。

記者団の取材に応じる自民党の菅家一郎氏=27日午前、国会内

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