北朝鮮による偵察衛星を搭載したロケット発射を受け、日本政府は28日、情報収集と分析を急いだ。木原稔防衛相は記者会見で、発射が「失敗だった」と指摘し、自衛隊の警戒態勢を当面維持する考えを示した。「引き続き米国、韓国と緊密に連携しながら必要な情報収集、分析に努めていく」と語った。

北朝鮮が通告した発射期間は6月4日午前0時まで。木原氏は落下物に備えて発令中の破壊措置命令や警戒態勢に関し「予告期間にとらわれず適切に判断する」と強調。米韓両国とのミサイル情報共有について「常時継続的にリアルタイム共有を行っている」と説明した。

日米韓3カ国の北朝鮮担当高官は28日、電話で協議し、「地域の安全保障にとって重大かつ差し迫った脅威だ」との認識を共有。3カ国の安全保障協力を含む抑止力強化や国連安保理での協力を確認した。

岸田文雄首相は首相官邸で、林芳正官房長官や外務、防衛両省の幹部らと対応を協議した。

防衛省は、北朝鮮が27日午後10時43分ごろ、北西部・東倉里から南方向に「弾道ミサイル技術を使用した発射」を行ったが、数分後に黄海上空で消失したと説明。朝鮮中央通信によると、第1段階の飛行中にエンジン部分の問題で爆発したという。

記者会見する木原稔防衛相=28日午前、防衛省

閣議に臨む岸田文雄首相(中央)ら=28日午前、首相官邸

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