政府の規制改革推進会議は、株式会社の設立に必要な公証人の定款認証制度を見直す。最低手数料を現行の3万円から半額程度まで引き下げる方向だ。河野太郎規制改革相と小泉龍司法相が合意し、2024年度中に措置する。スタートアップ支援の一環で月末にもまとめる最終答申に盛り込む。

株式会社をつくるには、会社の目的や組織、運営に関するルールを定めた定款の認証を公証人から得る必要がある。手数料は過去に一律5万円だったが、22年に資本金の額に応じて3万〜5万円に引き下げた。法務省は資本金100万円未満の企業を対象とする最低区分を1万5000円にする方向で検討する。

定款認証の手数料は、公証人の主な収入の一つになっている。年間手数料収入額は全国平均で3194万円ほどで、25%を定款認証の手数料が占める。

公証人の多様化も検討する。98%以上が裁判官や検察官などを経験した元公務員が占める。弁護士や司法書士など民間人材の登用を増やすための議論を24年中に始める。公証人を公務員にする案もある。

法務省は定型の定款を簡単に作成できるシステムの構築を24年度中に始める。

システムを使って作った定款案は、24年度上期中に提出から法人設立登記まで原則72時間以内で完了する運用にする。デジタル庁の法人設立サービスを使うと、24時間以内に定款認証と法人設立登記まで完了できる運用を速やかに始める。

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