静岡県の鈴木康友 新知事が就任にあたっての記者会見を開き、課題に対して「スピーディーに事に当たっていきたい」と抱負を述べました。

元総務官僚との事実上の一騎打ちを制して初当選した静岡県の鈴木康友 新知事は5月29日に初登庁し、幹部職員を前に訓示を行うと、午後には就任にあたっての記者会見を開きました。

冒頭、「『オール静岡で幸福度日本一の静岡県を作っていく』という目標に向け、これから様々な取り組みをしていきたい。4期16年、国土縮図型都市と言われる浜松市の経営を行ってきたが、国土縮図型ともいえる静岡県の運営・経営に対し、これまでの経験を活かして取り組みをしていきたい」と挨拶した上で、懸案となっているリニア中央新幹線をめぐる問題や浜松市に建設が予定されている新たな野球場に関する課題に触れ「まずはしっかりと職員からヒアリングを受け、全容を把握した後、スピーディーに事に当たっていきたい」と述べた鈴木知事。

今後の大方針として、「今回の選挙を通じても県民の関心が高かった」との理由から産業政策・経済政策の強化を挙げ、「私の今までの経験を活かしながら力を入れていきたい。スタートアップの育成、企業誘致、第一次産業の振興、観光振興に取り組みたい」としています。

また、リニア中央新幹線に関連する問題については「これからしっかりレクを受ける」と前置きしつつ、「県・JR東海・国・大井川流域市町の連携のもとに1つの課題をクリアしていくことが大事で、まずはそうした体制づくり、そのために各自治体のコミュニケーションを取っていく」と話し、JR東海の丹羽俊介 社長や国土交通省の幹部との可及的速やかな面会にも意欲をのぞかせました。そして、あわせて「『静岡県としてのリニアに関わるメリットの部分を交渉して欲しい』という意見もあるので並行してやっていく必要がある」との認識も示しています。

一方、川勝平太 前知事が難色を示していた高速長尺先進ボーリングに関しては「調査なくして前には進まない。詳しい調査内容はこれから聞くが、一般論として調査は進めるべき」と容認する姿勢で、工事の着工を許可する条件としては「いま出ている課題についてしっかり解決案が示され、各自治体が合意し、全体としての懸念が払拭されること。特に大井川流域市町の不安がある程度解消されることが必要だが、最後はそうは言ってもどこかで政治的決断が必要だと思う」との考えを明らかにしました。

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