国会議事堂=東京都千代田区で、竹内幹撮影

 岸田文雄首相(自民党総裁)は31日午前、政治資金パーティー裏金事件を受けた政治資金規正法改正に向けた法案修正を巡り、日本維新の会の馬場伸幸代表と国会内で会談した。会談では、政党から議員個人に支出され使途が公開されない「政策活動費」について、10年後に領収書などを公開することで一致。議員が自ら代表を務める政党支部に寄付し、所得税の控除を受けている問題については、税制優遇措置を禁止することで合意した。

 維新は、これらの合意事項が反映された自民案に賛成する方針だ。

 会談後、両党は3項目からなる「政治資金制度改革に向けた合意事項」を岸田首相と馬場氏の署名入りで発表した。政策活動費については、政党から政治家個人への寄付の特例を廃止すると明記。年間の使用上限を設定した上で、10年後に領収書、明細書とともに使用状況を公開するとした。

 また、国会議員に毎月100万円が支給される調査研究広報滞在費(旧・文書通信交通滞在費)については、使途公開と残金返納を義務づける立法措置を講ずることで一致した。旧文通費も使途公開の必要がないため、不透明さが問題視されており、衆参両院議長のもとに設置する協議体で議論する。

 馬場氏は、会談後、要求してきた企業・団体献金の禁止などでは折り合えなかったことを踏まえ「100%とは言えない」とした上で「一歩でも二歩でも改革を進めるのが維新の考え方だ」と指摘。政策活動費の10年後公開など維新案が盛り込まれたことを受けて、法案の採決については「採決で賛成する方向だ」と語った。【田中裕之】

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