菅義偉前首相は15日、福島県の東京電力福島第1原発を訪れ、処理水の海洋放出設備や、廃炉作業が進む原子炉建屋を視察した。菅氏は視察後、記者団に「安全確保の努力に終わりはない。政府・東電一体となって丁寧な情報発信や安全の徹底に緊張感を持つべきだ」と述べた。
菅氏は2021年の首相在任時に処理水の海洋放出を決定した。同原発への訪問は、首相退任以来初めて。この日は、廃炉作業が進む原子炉建屋や、多核種除去設備「ALPS(アルプス)」を通した処理水の希釈・放出設備を視察。東電・福島第1廃炉推進カンパニーの小野明・最高責任者から、廃炉作業の見通しや処理水の安全性について説明を受けた。
また、菅氏は衆院3補欠選挙(16日告示、28日投開票)について記者団に「三つの選挙の中で島根1区でしか(自民が候補を)公認できなかったのは大変残念に思う」と評価。岸田文雄首相が今国会での実現を目指す政治資金規正法の改正については「透明性の高い、国民が納得する改正を主導し、進めていくべきだ」と述べた。【川口峻】
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