衆院政治改革特別委員会で答弁を求める岸田文雄首相

衆院政治改革特別委員会が5日、岸田文雄首相(自民党総裁)も出席して開かれ、自民党派閥の裏金事件を受けた政治資金規正法改正案の質疑を行った。使途が分からない「ブラックボックス」との批判を受けている政策活動費を巡り、立憲民主党の岡田克也幹事長は、2025年度の政治資金収支報告書から第三者機関による監査を始めるよう求めたが、岸田首相は「できるだけ早く取り組みを進めていく」と明言を避けた。 自民党提出の改正案は6日の衆院本会議で採決され、衆院を通過する見通し。当初は4日の衆院通過が見込まれていたが、自民が日本維新の会の要求を踏まえ、再修正して提出し直すことを決めたため、ずれ込んだ。

立憲民主党の岡田克也幹事長

◆「ズルズル行って、結局できない可能性もある」

自民と維新は、いったんは政策活動費に関し「10年後に領収書、明細書とともに使用状況を公開する」ことで合意。だが、その後に自民が取りまとめた修正案では、公開対象となる支出を「50万円超」とした当初案の内容を変更しなかったため、維新が強く反発。自民は維新の主張を受け入れ、全ての支出を対象とする内容に再修正した。 岡田氏は5日の特別委で「『政策活動費』として認めるかどうかの『入り口』のところでも、第三者機関が一定の基準に基づいてチェックしないといけない」と指摘。その上で、自民案では第三者機関の設置・監査のあり方などについて「時期の明示がない」と批判し、「ズルズル行って、結局できない可能性もある。来年度の政治資金の収支報告からきちんと適用できるように年内に準備を終えると約束してほしい」と求めた。

衆院政治改革特別委員会で答弁する岸田文雄首相

これに対し、岸田首相は第三者機関にどのような権限を与えるのかは「簡単な議論ではない」と反論。「できるだけ早く取り組みを進めていく」と期限の明示を避けた。

◆6月23日までに成立の見通し

政治資金規正法改正について、岸田首相は「今国会での改正へ全力を尽くす」と明言している。自民党の改正案は7日に参院政治改革特別委員会で審議入りし、23日の今国会会期末までに成立する見通し。


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