参院本会議=国会内で2024年4月12日、平田明浩撮影

 インターネット上での銃の不法所持をあおる投稿の禁止などを盛り込んだ改正銃刀法が7日、参院本会議で可決、成立した。安倍晋三元首相の銃撃事件や2023年に長野県で起きた猟銃を使った殺人事件を受け、手製銃と猟銃の規制を強化する。

 安倍元首相の銃撃事件で逮捕・起訴された山上徹也被告(43)は、ネット上の動画を見て銃を手作りしたとされる。改正法は、銃の不法所持を公然とあおり、そそのかす行為を新たに規制対象にして罰則を設け、懲役1年以下または30万円以下の罰金を科す。

 具体的には、ネット上に銃の製造方法を解説する動画を投稿したうえで、不法所持を呼びかけるなどのケースを想定している。

 発射罪の規制も見直す。山上被告が自作した7丁の銃のうち1丁は、空気銃と同様の扱いの「その他装薬銃砲」で、発射罪の対象外だった。拳銃や機関銃などの「拳銃等」がこれまで対象だったが、他のすべての銃砲にも拡大する。

 また所持罪についても、拳銃等の罰則は1年以上10年以下の懲役だが、ほかの銃砲も人の殺傷などを目的とした場合は厳罰化して、拳銃等と同じとする。これらは公布から1カ月後に施行される。

 長野の事件で使われた猟銃の一種のハーフライフル銃の所持は、ライフル銃と同じく10年以上続けて猟銃の所持を許可された人などに限る。ただ特例を設け、都道府県が必要とした獣類の捕獲目的では1年目から所持できるようにする。

 長期間使われていない「眠り銃」の許可を取り消せる期間を3年から2年に短縮する。ハーフライフル銃と眠り銃の規制は公布から9カ月以内に施行される。【山崎征克】

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