東京都の小池百合子知事(71)は12日の都議会本会議で、任期満了に伴う都知事選(20日告示、7月7日投開票)に3選を目指して立候補すると正式に表明した。小池氏は「もっとバージョンアップさせて東京大改革を進めていく覚悟で出馬を決意した」と述べた。2期8年の小池都政への評価が選挙戦の主な争点となる。
自民党、公明党、地域政党「都民ファーストの会」は小池氏を支援する方針を示しているが、小池氏は無所属の現職として党派色を抑えて選挙戦を展開するとみられる。
これに対し、既に無所属での出馬を表明している立憲民主党の蓮舫参院議員(56)は12日、離党届を提出し、報道陣に「私は挑戦者。党派を超えて支えていただければ」と語った。立憲、共産党、社民党が支援する。選挙戦は2氏による事実上の与野党対決が軸となり、結果は岸田文雄首相の政権運営にも影響を及ぼしそうだ。
また、日本維新の会は12日、都知事選への独自候補の擁立断念を発表した。記者会見で藤田文武幹事長は「(都知事選には)静観するという態度で臨みたい」と述べ、どの候補者にも推薦などは出さない考えを示した。国民民主党は都知事選への態度を決めていないが、玉木雄一郎代表は12日のラジオ番組で「蓮舫氏を応援することはない」と語った。
派閥の政治資金パーティー裏金事件で逆風を受ける自民は4月の衆院3補欠選挙で不戦敗を含めて全敗したほか、5月の静岡県知事選など地方選でも推薦・公認候補の落選が続いている。自民は小池氏を実質支援することで連敗の流れを食い止めたい考えだ。
小池氏は自民党衆院議員として環境相や防衛相を歴任し、2016年の都知事選に無所属で立候補。主要政党の推薦候補を破って初当選し、女性初の都知事に就任した。
新型コロナウイルス感染拡大が続く中で行われた前回20年の知事選では歴代2位の約366万票を得て再選。2期目はコロナ対策や、1年遅れで開催された東京オリンピック・パラリンピックに対応した。
小池氏は12日の都議会本会議で「全身全霊をかけて取り組み続けた日々だった。少子高齢化、人口減少、自然災害などさまざまな課題が先鋭化する都政において先駆的な政策を行ってきた」と2期8年を振り返り、「東京大改革、持続可能な社会の力強い歩みを止めてはならない」と訴えた。
都知事選にはこれまでに前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)、元航空幕僚長の田母神俊雄氏(75)ら40人以上が出馬を表明している。【島袋太輔、深津誠、田中裕之】
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