武見敬三厚労相

 東京都内の私立保育園が子どもの才能などを調べる遺伝子検査を推奨していることについて、武見敬三厚生労働相は16日の閣議後記者会見で「社会の中での議論や合意形成がないまま、小さな子どもにゲノム検査が行われていたことは驚きだ」と述べた。

 武見厚労相は、遺伝情報を解析するゲノム科学を医療に活用することは必要としつつ、「どのように社会で活用するか、もっと慎重に考えなければいけない」と指摘。厚労省が今後策定するゲノム医療の基本計画に向けて、民間の遺伝子検査ビジネスへの対応を検討する方針を示した。

 毎日新聞は15日、都内で民間企業が運営する二つの保育園が保護者に対し、学習や運動の能力、病気の発症リスクなど500項目以上を調べる遺伝子検査を推奨・仲介していることを報じた。運営会社社長によると計約40人の園児のうち、3分の1ほどが遺伝子検査を受けたという。

 子どもの才能などを調べる遺伝子検査を巡っては、専門家から「科学的根拠がない」との指摘が出ている。【肥沼直寛、原田啓之】

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