参院政治改革特別委員会は14日、政治資金規正法改正案を巡り、参考人質疑を行った。政治資金を監査する第三者機関や、政策活動費など今後の検討に委ねられている課題を中心に有識者から意見を聴取した。
飯尾潤・政策研究大学院大教授▽大山礼子・駒沢大名誉教授▽西田亮介・日大教授▽中北浩爾・中央大教授――の4氏が出席。飯尾氏は、第三者機関について「(資料の)公開だけではなく、申告内容を精査して是正を求める機能を持たせた方がよい」と提案した。国会に設置する案や、独立性の高い行政機関とする案などを紹介した上で「重要なのは形ではなく、人員を備えて権威を持つ、この両方が必要だ」と述べた。
大山氏は、衆院を通過した改正案について「多くの重要な事柄が付則に書かれている」と指摘。リクルート事件をきっかけとした1994年の法改正で、企業・団体献金の見直しが付則に盛り込まれながら先送りされたことに触れ、「94年の付則が棚ざらしにされたままだと今回の付則もいつ実現するか分からないということになる。ぜひもう一度、(企業・団体献金の)見直しの議論をすべきだ」と述べた。
西田氏は、政治資金収支報告書をチェックしたことを示す「確認書」の作成が議員本人に義務付けられたことについて「政治家本人への抑止力はこれまで十分に機能していなかったが、相当程度改善する」と評価した。一方で、改正案について「対症療法にとどまっている。もっぱら将来の不正に対する抑止力を有する内容で、直近の疑惑解明には直接つながらない」との懸念も示した。
中北氏は、自民党と日本維新の会の修正協議で「10年後の領収書公開」などが盛り込まれた政策活動費に触れ、「維新の尽力で修正されたことは一定程度評価できる」と言及。具体策の多くが今後の検討課題となっている点を問題視し、「釣った魚に餌をやらないのは世の常だ。なぜ細部を十分に詰めずに合意してしまったのか。今からでも遅くないので期限だけでも法律に明記すべきだ」と訴えた。【佐藤慶】
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