東京都知事選(20日告示、7月7日投開票)への立候補を表明している石丸伸二・前広島県安芸高田市長は17日、都庁で公約発表の記者会見を開き、政治の再建を通じて日本を「経済強国にしよう」と訴えた。石丸氏が出馬表明後に都内で記者会見するのは初めて。(佐藤裕介、加藤豊大)

東京都知事選の公約を発表する石丸伸二氏=都庁で

石丸氏は、公約の3本柱として「政治再建」「都市開発」「産業創出」を打ち出した。一つ目の「政治再建」が「全ての政策の基本であり根本」だと主張。民意を集約して「バラマキ政策」を一掃すると訴えた。

「都市開発」では「23区内の過密が特に顕著だ」と述べ、多摩格差の是正などの必要性を強調。「産業創出」に関しては、教育が「最も成長する分野」だとして、「そこに投資をするのが一番の成長戦略だと唱えたい」と話した。 これまでの都知事が「多くは文化人だった」ことで「欠けていた要素があった。それこそ経済」とも指摘。「この混沌とする日本において、社会を立て直していくのは何よりも経済の力」と語り、「東京から『経済強国』として生まれ変わる日本を切に願う。そのために、まずは東京を動かしていこう」と呼び掛けた。

◆神宮外苑再開発は「ひっくり返せば、むしろ混乱」

石丸氏は、東京・明治神宮外苑地区で三井不動産などが行う再開発事業の是非について問われると、「そもそも民間の開発事業で、ここから東京都ができることは『提案』。そこまでだという認識でいる」との考えを示し、「これを全部ひっくり返すというのは極めて難しい、むしろ混乱を招く」と述べた。 都内で発がん性の疑われる有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)が高濃度で検出されている問題については、「細心の注意を払って責任をもって対処すべき」としながらも、「どこまでできるかは(都の)中に入って詳しく協議をしてみる必要がある」と答えるにとどめた。

◆50人以上が立候補を表明

都知事選には他に、現職の小池百合子氏、立憲民主党を離党した蓮舫参院議員、田母神俊雄・元航空幕僚長など50人以上が立候補の意向を表明している。 

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