衆院決算行政監視委で維新・藤田幹事長の質問に答える岸田首相(17日)

日本維新の会の藤田文武幹事長は17日の衆院決算行政監視委員会で、岸田文雄首相に今国会中に調査研究広報滞在費(旧文通費)の使途公開などの改革に結論を出すよう要求した。「約束を果たしてほしいというシンプルな話だ」と強調した。

自民党と維新は5月末に党首会談を開き、旧文通費の使途公開を義務づける法整備や政策活動費の10年後の領収書公開などで合意した。合意に基づき、維新は衆院で自民党が提案した政治資金規正法改正案に賛成した。

藤田氏は決算委で両党の交渉経緯に触れ「正直無理だろうと諦めていたが、首相が『踏み込んでやる』と言った時は率直にうれしかった」と明かした。「心意気を見せてもらったので応えるべきだ」と考えたという。

合意文書には「今国会中」との文言を入れなかった。首相は9月に総裁任期満了を迎える。藤田氏は「任期中の国会と想定するのは当たり前だ」と主張し、今国会の会期を延長して結論を得るよう求めた。

藤田氏は「合意文書として甘いと言われたらそうだ」と話した。「前提がそうだったから、信用してのんだ」とも打ち明けた。

首相は12日、具体的な実現時期は「合意文書に記載されていない」と明言を避けていた。藤田氏は「書いていないから時期は関係ないと開き直るのは違う」と反発した。

首相は「公党間の合意であり、文書で確認している。重いものだ」と述べた。具体的な期日は言及を避け「自民党として誠心誠意、合意に取り組む」と繰り返した。

維新の音喜多駿政調会長は17日の参院政治改革特別委員会で「約束をほごにされるのであれば(政治資金規正法の)法案採決で賛成することはあり得ない」と言明した。

維新は18日の党会合で規正法案への賛否について最終判断する見通しだ。旧文通費改革が実現しない恐れだけでなく、政策活動費の使途公開を巡る具体的な制度設計の時期が明示されていないとして反対論が強まっている。

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