都庁で公約を発表する東京都の小池百合子知事(18日、代表撮影)

東京都の小池百合子知事(71)は18日、オンラインで記者会見を開き、3選を目指す都知事選(20日告示―7月7日投開票)の公約を発表した。保育料無償化の拡大や無痛分娩の助成制度の創設などを柱に据えた。選挙戦では「東京大改革3.0」を掲げ、少子高齢化対策や経済の活性化、防災などを訴える。

子育て支援では麻酔を使って陣痛を和らげる「無痛分娩」にかかる費用の助成制度を新たに創設する。第2子以降が対象の保育料の無償化を第1子以降に拡大する。子育て世帯の家賃負担の軽減にも取り組む。

小池氏は会見で、出産や子育てを経済面から支えることで「結婚・出産・子育てへの不安を解消する」と強調した。学童保育の待機児童の解消にも取り組む。

少子化とともに高齢化の大きな波も東京に押し寄せる。対応策として、東京都独自の認知症専門病院を創設する。在宅医療介護の支援強化も掲げた。都独自の介護職員の昇給制度を新たにつくり、人材確保も進める。

物価高対策の一環として「アフォーダブル住宅」の推進も盛り込んだ。都内の住居費が上昇するなか、手ごろな価格で住める住居の供給を後押しする。

経済分野では中小企業の賃上げ支援や事業承継の推進などに力を入れる。5月に開業したスタートアップ企業の支援拠点を活用したユニコーン(企業価値10億ドル以上の未上場企業)の育成も後押しする。カスタマーハラスメントを防ぐための条例の制定を目指す。

防災対策として集中豪雨の被害を減らすために「調節池」を新たに整備するほか、富士山の噴火を想定した降灰対策も進める。ミサイル攻撃に備えた地下シェルターの整備も掲げた。

小池氏は「東京と都民が直面する全ての課題に真正面から向き合う」と強調。その上で「選挙中でも追加の公約も示していく」と述べた。

都知事選では2期8年続いた小池都政への評価が大きな焦点となる。小池氏のほか、立憲民主党出身の蓮舫氏(56)や前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)、元航空幕僚長の田母神俊雄氏(75)ら約50人が出馬の意向を示している。蓮舫氏は18日午後に公約を発表する予定だ。

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