政府は18日、特定秘密保護法の運用状況に関する2023年の報告を閣議決定し、国会に提出した。家族の国籍や借金の状況などの身辺を調べるセキュリティークリアランス(適性評価)は2万4569人に実施された。適性評価に同意しなかった人は防衛省や消費者庁の職員のほか、防衛装備庁と取引のある民間企業の従業員など23人いた。

 新たな特定秘密の指定は、防衛省や内閣官房、警察庁など9機関による53件、指定解除は4件だった。分野別では防衛33件、外交12件、スパイ防止4件、テロ防止4件。14年12月の同法の施行以来、昨年末時点で特定秘密は計751件となった。

 重要情報の取り扱いを国が認めた人に限る適性評価制度を経済分野に広げる法律が5月に成立し、来年以降は多くの民間人も対象になる見通し。 今回の報告書には、外務省と防衛省で特定秘密が記録された計10件の行政文書について特定秘密と表示していなかったことや、今年4月に防衛省が公表した自衛隊員による特定秘密の漏洩(ろうえい)事案を受けて、情報管理体制の見直しなど再発防止策を進めることも盛り込まれた。(笹山大志)

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