岸田文雄首相(自民党総裁)と野党党首による党首討論が19日、国会で行われた。立憲民主党の泉健太代表は、自民派閥の裏金事件を受けた政治改革に対する首相の姿勢を追及した上で、早期に衆院解散・総選挙に踏み切って国民の審判を仰ぐよう要求。首相は「結果を出すことに専念する。それ以外のことは考えていない」と拒否した。

泉氏は、19日に成立した改正政治資金規正法について「落第点だ」と酷評した。首相は「政治資金は民主主義を支える大変重要な要素だ。政治にコストがかかるのは当然だ」と反論。政策活動費について「政治活動の自由と国民の知る権利のバランスの中でつくった制度に基づき使う」と明言した。

首相はまた、泉氏に対して「憲法改正で責任ある対応をお願いしたい」と求めた。

日本維新の会の馬場伸幸代表と国民民主党の玉木雄一郎代表はそれぞれ「首相のリーダーシップが欠けている」などと批判し、内閣総辞職を迫った。首相は「あらゆる課題で結論を出す。強い覚悟を持って臨んでいきたい」と答え、退陣する考えがないことを重ねて表明した。

共産党の田村智子委員長は、選択的夫婦別姓制度導入のための法整備を主張した。

党首討論の開催は2021年6月以来3年ぶりで、首相と泉、馬場、田村の3氏にとって初めて。衆参両院の国家基本政策委員会の合同審査会として、衆院の委員会室を使って開かれた。

党首討論に臨む岸田文雄首相(自民党総裁、写真右)と立憲民主党の泉健太代表=19日午後、国会内

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