政治分野の女性参画拡大を目指す超党派の議員連盟は19日、国会内で総会を開き、女性候補の少ない政党への政党交付金を減額する政党助成法改正案の今国会提出を見送る方針を確認した。法案の早期提出を目指していたが、政党の合意形成に至らず、23日の会期末を前に正式に断念した。議連会長の中川正春元文部科学相(立憲民主党)は「政治資金の議論で国会がそれどころではなく、なかなかそこまで進めることができなかった」と説明した。
法改正を検討してきたのは、2018年に候補者男女均等法の議員立法成立を主導した「政治分野における女性の参画と活躍を推進する議員連盟」。現行法は理念法にとどまり、政党に女性候補擁立の努力義務を課すのみであるため、「政党交付金を使うことで女性候補を増やすインセンティブ(動機づけ)にしていく」として、各党に働きかけてきた。
衆院選比例代表の候補者名簿について、性別などでグループ化し男女交互に当選順位を決められるようにする公職選挙法の改正も検討していたが、同様に今国会での提出は見送る。
中川氏は総会で、議連の役員会の議論の経緯を説明。「理念法成立のときのように各政党に持ち帰り、根回しに時間をかけた上で、できれば委員長提案のコンセンサスを得ていきたい」として、今年秋の臨時国会や、来年の通常国会でも継続して取り組む姿勢を強調した。
議連幹事長の阿部俊子衆院議員(自民党)は「(党内では)公選法を入れるのは大変難しいと言われた」と説明。「皆様とともに一歩一歩進めていくということが、この日本社会にとっても重要だというふうに考えている」とあいさつした。
議連顧問の三浦まり上智大学教授は「交付金を減らす、というのはかなり効果がある。効果があるために政治的な抵抗も強いが、これをしない限り、ずっと変わらないまま世界は前に行ってしまう。真剣な検討をお願いしたい」と語った。【安部志帆子】
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