千葉県に関する重要な情報が記録され、永久保存されるべき「歴史公文書」やその可能性がある公文書のうち少なくとも139冊が誤廃棄や所在不明(一部不明も含む)になっていた問題で、県は19日、再発防止策として初めて公文書管理条例の制定も視野に検討していく方針を示した。

 この問題は、県への情報公開請求や取材をもとに朝日新聞が報じたことで明らかになっていた。

 この日から始まった県議会代表質問で、穴沢幸男副知事が網中肇議員(立憲)らの質問に答えた。穴沢副知事は県が作成する公文書について「県の政策決定のみならず、地域に関する重要な情報や個人情報などが含まれているものもあり、所在不明となることは県民の信頼に関わる問題だと認識している」と発言。

 森友学園問題や2017年に明らかになった県文書館での公文書誤廃棄事案などを受け、18年の6月議会以降、条例の制定などを提案してきた網中議員から再発防止策を問われると「国や他の自治体の状況を踏まえつつ、デジタル技術の活用や条例化の必要性も含め、適切かつ効率的な文書管理のあり方について検討していく」との方針を示した。

 県には公文書管理条例がなく、議会の議決を経ずに庁内の運用で自由に改編できる行政文書管理規則などで対応している。一方、条例では、議会や教育委員会などといった知事部局以外の機関にも統一的な制度が導入でき、公文書管理に対する職員の意識向上なども期待できる。そのため、これまで県議会でも立憲などの会派が条例化の必要性を指摘してきた。

 この日は関政幸議員(自民)からも公文書に関する同様の質問があった。今月24日には中村実議員(自民)が、歴史公文書判定アドバイザーについて一般質問をする予定。(マハール有仁州、原口晋也)

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