東京都知事選が告示され、街頭演説を聞く有権者ら=東京都中野区で2024年6月20日午前11時8分、長谷川直亮撮影

 任期満了に伴う東京都知事選が20日告示され、17日間の選挙戦がスタートした。現職と新人の計56人が立候補を届け出て、前回2020年の22人を大幅に上回り立候補者数は過去最多となった。2期8年の小池都政の評価が最大の争点となる。深刻化する少子化問題への対応や、首都直下地震対策、物価高対策などを巡っても論戦が交わされる見通し。投開票は7月7日。

 立候補を届け出たのは、現職の小池百合子氏(71)、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)、AI(人工知能)エンジニアの安野貴博氏(33)、タレントの清水国明氏(73)、元航空幕僚長の田母神俊雄氏(75)、元参院議員の蓮舫氏(56)ら。

 主要政党は公認や推薦を出さず政党色を薄めているものの、自民党、公明党、国民民主党都連と地域政党「都民ファーストの会」は小池氏を支援。立憲民主党、共産党、社民党は蓮舫氏を支援しており、事実上の与野党対決が選挙戦の軸となる。

 自民は独自候補擁立を見送り、小池氏を実質支援することで派閥裏金事件以降の地方選での苦戦傾向を食い止めたい考えだ。立憲、共産などは蓮舫氏を全面支援し、「政治とカネ」の問題を知事選でも問う構え。

 小池氏は新宿区の選挙事務所で出発式に臨み、「2期8年、都民の皆様の命と暮らしを守るために全身全霊で取り組んできた。キーワードは『首都防衛』。世界で一番の都市・東京を確立する」と抱負を述べた。

 蓮舫氏は午前11時過ぎ、JR中野駅前で第一声。「生まれ育った東京で私は現職に戦いを挑む。リーダーになって東京を変えたい。若い人たちを支えたい。本物の行政改革を担わせてほしい」と強調した。

 都知事選の立候補者数は近年増加傾向にあったが、今回は前回の2・5倍に達した。寄付者に自身のポスターを掲示する権利を譲る計画を公表した政治団体「NHKから国民を守る党」が、関連団体も含めて計24人を擁立した影響が大きい。

 4月に行われた衆院東京15区補選では、選挙妨害行為を動画サイトにアップする陣営が現れ刑事事件に発展した。候補者が乱立した今回の都知事選でも、各陣営によるネット選挙のあり方が議論を呼びそうだ。

 都選管によると、19日現在の選挙人名簿登録者数は1153万3132人で、4年前から約6万4000人増えた。【島袋太輔、深津誠、白川徹】

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