林芳正官房長官は21日の記者会見で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が昨年から今年にかけて複数回のサイバー攻撃を受けていたことを認めた。「不正アクセスを受けたネットワークではロケットや衛星の運用等の機微な情報は扱われていないと報告を受けている」と語った。

 林氏は、攻撃を受けた一部のネットワークを遮断する措置をJAXAが講じたと明らかにした。JAXAから文科省に速やかに報告があり、内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)などが協力して詳細の調査にあたっていると説明。「専門機関の協力を得て対応を早急に進めるとともに、必要な対策を取ってもらいたい。政府として、複雑化するサイバー空間における我が国のサイバーセキュリティーの強化に努めていく」と述べた。

 JAXAへのサイバー攻撃では防衛省など外部機関の情報も流出した恐れが指摘されている。木原稔防衛相は閣議後の会見で、「JAXAは防衛省の装備品などの研究開発や役務の契約相手でもある。不正アクセスについては防衛省としても注視している。現時点で防衛省の業務に特段の支障はない」との見解を示した。(笹川翔平、里見稔)

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