政府は21日、首相官邸で「外国人材の受け入れ・共生に関する関係閣僚会議」を開いた。外国人が日本で生活しやすくなる施策の行程表となる「外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ」を改訂した。外国人材に選ばれる国になるため「必要な受け入れ環境を整備する」と明記した。
政府は外国人の社会参加の拡大に向け、2022年6月にロードマップを策定し、毎年更新している。今回の改定では、外国人の日本語の能力を引き上げるため、24年度にも新たな日本語の試験を導入する方針を盛り込んだ。試験の詳細は今後決める。
政府が従来の技能実習に代わって新たに導入する育成就労制度では、一定の日本語の能力を身につけた人に優遇措置を講じる。同じ業務分野の間の転職のほか、最長5年就労できる特定技能1号や家族帯同も認められる2号への移行を認める。
今後1年間で取り組むべき施策を示す「総合的対応策」も見直した。短期滞在ビザを免除した外国人を対象に、日本への渡航の前に滞在の目的や身寄りを申告するよう求める仕組みを導入する。
米国が入国前に義務付けている電子渡航認証システム(ESTA)を参考に、氏名や旅券の情報を申告してもらう。目的がビジネスの場合は商談相手の名前、医療なら病院名などを報告させる。不審な点があれば出入国在留管理庁が目的先に問い合わせる。
林芳正官房長官は会議で「日本人と外国人が互いに尊重し、安心安全に暮らせる共生社会の実現をめざす」と述べた。
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