自民党の東国幹衆院議員は22日、9月に予定する党総裁選を巡って岸田文雄首相に不出馬を促した。「再選と軽々しく口にするのではなく、思いとどまって自民党に新しい扉を開く橋渡し役を担ってほしい」と述べた。
北海道旭川市で開いた党会合で個人的な意見として発言した。東氏は4月に解散を決めた茂木派(平成研究会)に所属し、22日の会合には茂木敏充幹事長が出席していた。
東氏は党派閥の政治資金問題に触れて自民党の現状に関し「厳しいと改めてしっかりと認識する必要がある」と指摘した。「新しい門出があって初めて党の発展や党勢拡大のカジを切っていける」と話し、岸田氏の総裁再選に否定的な立場をにじませた。
東氏の後に講演した茂木氏は政治資金問題の再発防止を徹底すると強調した。「全く新しい自民党に変わっていく強い決意を持って取り組みを継続したい」と唱えた。総裁選などを巡る東氏の発言に言及はなかった。
茂木派では津島淳衆院議員が20日、内閣不信任決議案を議決する前の代議士会に岸田首相が出席していないと批判していた。改正政治資金規正法を巡る党内の不満を念頭に「総裁がこの場に来てあいさつすべきではないか」と話した。
麻生派でも首相への不満が漏れる。斎藤洋明衆院議員は16日、新潟県新発田市で開いた会合で政治資金問題への対応をふまえて首相に辞職を促す発言をした。
茂木氏と麻生太郎副総裁は改正政治資金規正法の内容に関して岸田首相と隔たりが大きく、関係がギクシャクしているとの見方がある。
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