通常国会が閉会した23日、自民党の「ポスト岸田」候補が9月の党総裁選に相次いで言及した。茂木敏充幹事長は「夏の間、よく考えたい」と述べ、熟慮する方針を表明。石破茂元幹事長は時機を見て結論を出す考えを示した。自民内では、派閥裏金事件への岸田文雄首相の対応に批判が集まり、総裁選不出馬を求める声も出ている。
茂木氏は裏金事件を念頭に置き「日本をどうしていくか。地域をどう活性化していくか。みんなと力を合わせ、党として反省をしながら、結束できるような体制をつくることが大切だ」と北海道北斗市で記者団に語った。
2021年11月から3期連続で幹事長を務める茂木氏は、党則に基づき今年9月で任期を終える。今月公開されたインタビュー動画では「首相になってやりたいことはある」と言及。具体的には生産性と国民所得の向上を挙げた。
石破氏は23日の秋田市での講演で、7月の都知事選や都議補欠選挙を挙げ「党の命運を懸けた選挙がある時に『俺が、俺が』と言うのは良いことではない」と強調。その上で「来たるべき時に何を言っているのか分からないということは絶対にしてはならない」と述べた。
田村憲久政調会長代行は23日のフジテレビ番組で、首相の求心力低下に関し「総裁が代わっても支持率が上がるほど甘い状況ではない」と指摘。総裁選では党が変わったと思われるような政策論争が必要だとした。
首相は21日の記者会見で、総裁選への対応を問われ「先送りできない課題に取り組み、結果を出す。これ以外は考えていない」と明言を避けた。一方で「気力はみなぎっている」とも語った。〔共同〕
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