総務省は25日、ふるさと納税に関するルールを見直すと発表した。利用者にポイントを付与する仲介サイトを使って自治体が寄付を募ることを2025年10月から禁止することが柱。サイト間のポイント付与競争が過熱し、自治体がサイトを運営する仲介業者に支払う経費がかさんでいる可能性があるためだ。
同省は、自治体がポイントにかけてきた経費を節約できることで、自治体の収入が増えることを期待している。寄付金の決済時にクレジットカード会社が付与するポイントについては禁止しない。
また返礼品として提供される食品の産地名を偽装するケースが複数発生したことから、産地名が正しく表示されるための必要な措置を自治体に求める。返礼品が自治体の区域外で製造されるケースを防ぐため、製品が持つ価値の半分以上が自治体で生まれたものであるとの証明がなされた場合に限り、返礼品に指定できるとした。
さらに、全国展開している宿泊施設は寄付を受ける自治体と関連が薄いとして、同じ都道府県内に展開する施設の宿泊券に返礼品を限定する。だが、1人1泊5万円以下の宿泊などはこの措置の対象外とする。
総務省は一連の見直しを今年10月から実施する方針だが、ポイント付与サイトを通じた寄付募集の禁止については準備期間を考慮して、25年10月から適用することにした。
松本剛明総務相は25日の記者会見で「ふるさと納税は返礼品目当てではなく、寄付金の使い道や、その目的に着目して行われることに意義がある。制度を適正に運用しながら、自治体の取り組みを後押ししていきたい」と述べた。ふるさと納税制度による22年度の寄付総額は約9654億円で、3年連続で過去最高を更新している。【安部志帆子】
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