熊本市の6月定例議会は最終日の27日1つの議案を継続審査とし、これ以外のすべての市長提出議案を認め閉会しました。継続審査となったのは上熊本駅前の屋根の落下をめぐって業者を提訴するとした議案です。大西市長は議会後の会見で「賠償金の請求は必要」とする考えを示し、提訴については慎重に判断したいとしました。

今議会では、県内のバス各社と熊本電鉄電車が今年12月中旬以降全国交通系ICカードを廃止し新システムを導入するための助成予算案をめぐり激しい議論が交わされました。

結果、議会は予算案は認めたものの、「市電への導入については慎重な検討を行うこと」などとする附帯決議を行い条件付きの可決としました。

今議会でもう1つ物議を醸したのは、JR上熊本駅前の屋根落下をめぐり市が施工業者を提訴するとした議案です。

議会側は、5年前に市が業者と交わした確認書の存在を明らかにし「市は当時、屋根の雨漏りを認識していた」などと指摘。

市の提訴方針には疑問の声が相次ぎました。

27日の本会議での採決の結果、この議案は『継続審査』とすることが正式に決定しました。


議会後の会見で大西市長は、JR上熊本駅前の屋根落下をめぐり、改めて「賠償金の請求は必要」とする考えを示しました。

【大西市長】
「本来求めるべき品質や性能を欠く瑕疵があったのは事実ですので、本来負担の
必要ない費用が発生しているので、それに対する賠償金請求は必要だと思う」

議会が提訴の議案を認めず『継続審査』としたことについては。

【大西市長】 
「(議会から)管理の不足や説明不足であるとかそういったことも指摘があったので、そうしたことは真摯に受け止めて、再度顧問弁護士とも協議して今後の審査で丁寧に説明したい」

一方、全国交通系ICカード廃止をめぐり市電についての考えを問われた大西市長は「利用者アンケートを実施し、ことし12月中旬以降全国交通系ICカードが
廃止されるバスの状況を見ながらユーザー目線で対応したい」としました。

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