東京都議補選が28日告示された。自民党は9選挙区のうち、南多摩をのぞく8選挙区に候補を擁立。非自民との一騎打ちとなった八王子市では、地元選出の「あの人」が応援に立った。 「逆風の原因を私自身がつくってしまい、申し訳ない思いがある。われわれは反省すべきは反省し、信頼回復に全力を挙げないといけない」

聴衆を前に演説する萩生田光一氏=28日、東京都八王子市で

午前11時、自民の市議や国会議員、市長ら多くの関係者が雨中に詰めかけ、八王子市中心部で開かれた元市議で自民新人の馬場貴大さん(45)の出陣式。自民党の派閥パーティー裏金事件で役職停止処分を受けた前政調会長で、地元選出の萩生田光一衆院議員(60)がマイクを握った。 萩生田氏は「今回選んでもらうのは国政の代表ではなく、八王子の声を都政に届ける代表だ」と、あくまで都議補選は別物であると強調。「厳しい選挙戦だが私も批判を恐れずに先頭に立つ」と淡々と語った。

◆自民 VS 非自民の一騎打ち

街宣車の上に立ち、応援演説を聞いていた馬場さんは市議4期の経験をアピールし「これだけ逆風が吹いても、自民党の看板を下ろすつもりはない。良い時も悪い時も、みなさんの生活に追い風を吹かせたい」と声を張り上げた。

雨中の第一声となった、滝田泰彦氏㊧と馬場貴大氏=28日、八王子市内で

一方の諸派で元都議の滝田泰彦さん(42)は、対照的に応援弁士を呼ばず、午後5時半に市中心部で第一声。「自民党の古い政治体質を変える。政治への信頼を取り戻し、地域の課題を解決しながら八王子の未来をつくりたい」と訴えた。 自身が代表の確認団体「新時代の八王子」からの出馬だが「自民が強い八王子で、自民ではない受け皿を目指す」と事実上の無所属を掲げる。 滝田さんは、都民ファーストの会で都議を1期務め、2021年に落選。今年1月の市長選は無所属で出馬し、次点で落選した。市長選で得た知名度を生かしながらの戦いになるが、すでに次の市長選への意欲も見せる。「都議になって八王子のために尽くした上で、市長選に再挑戦する。有権者に理解してもらえるよう、しっかり理由を説明していきたい」と報道陣に語った。(昆野夏子) 

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