政府は6月28日、電気、ガス料金の負担軽減策について、8月から10月まで再開する電気とガス料金の補助金の金額を明らかにした。8、9月使用分について、標準世帯で電気は月1600円、ガスは月525円、合計2125円の減額と試算される。10月使用分は補助の幅が縮小し、標準世帯で電気の補助が月1000円、ガスは月300円、合計1300円の減額が見込まれる。事実上の国会閉幕を受け、岸田総理が21日に、酷暑対策として緊急支援の実施を表明していた。しかし、岸田総理が打ち出した電気・ガス料金の補助金再開に対して、困惑や批判が集まった。自民の中堅議員は、「電気料金対策はいいが、行き当たりばったりでしかない岸田政権の悪いところがまた出ている」と懐疑的な見解を示した。
自民党内では9月の総裁選を見据えた動きが目立ってきた。岸田総理は29日、山梨県で企業などを視察し、自民党の県連幹部と懇談した。岸田総理は、8月前半にカザフスタンを訪問するが、8月中に地方行脚を重ね、党内情勢を見守りながら、総裁選出馬に関する最終的な判断を下すものと見られる。朝日新聞は28日、「石破茂元幹事長が党総裁選に立候補へ」と報じた。石破氏は同日、札幌市内で開かれた自民党議員のパーティーに出席した後、総裁選出馬の意向に関する報道は、「事実ではない」と否定したうえで、対応時期に関しては「熟考することが必要だ」と語った。
石破氏の総裁選出馬に関する報道に先立ち、非主流派の“キングメーカー”とされる菅前総理は23日の国会閉会後から積極的にメッセージを発信した。千葉市で開かれた自民党千葉県連大会で講演。菅氏は、派閥パーティー券を巡る裏金事件を謝罪し、「国際的にも国内的にも極めて大事な時に、政権を渡すようなことは絶対してはならない」と強い危機感を示した。菅氏は23日、文藝春秋のオンライン番組に出演し、「総理自身が派閥の問題を他の派閥と同じように抱えているわけで、その責任に触れずに来ている」と岸田総理への厳しい批判を展開した。さらに、菅氏は26日発売の月刊誌「Hanada」のインタビューで、裏金事件を巡る岸田総理の対応について、「総理は処分を自身に科し、責任を取るべきだった」と追及した。一方で、岸田派をはじめ党内からは、菅氏の発言に疑問視する指摘があり、波紋が広がっている。
河野太郎デジタル大臣は26日、2時間にわたり、主流派の“キングメーカー”とされる麻生副総裁と会食した。5月21日に続き2度目。その際に、河野氏が党総裁選に対する出馬の意欲を、麻生氏に伝えたと一部で報じられた。その報道について、河野氏は、「どの河野さん?面白い小説だと思います」と記者団に応答した。河野氏は28日の閣議後の会見で、総裁選出馬への対応を問われ、「意欲については、(衆院初当選の)28年前から申し上げている」と述べた。また、総裁が再選を目指す総裁選に、現職閣僚による立候補の是非について問われると、「今は、閣僚として、しっかり職務を全うする」と答えた。一方、岸田総理は25日、麻生氏と約3時間にわたり会食し、関係改善を模索した。18日に続き2週連続という異例のペースとなった。
ANNが15、16日に実施した世論調査で、自民党の中で、次の総理大臣は誰がよいかを尋ねたところ、石破茂元幹事長が23%、小泉進次郎元環境大臣が18%、河野太郎デジタル担当大臣が8%という結果となった。
★ゲスト:鈴木哲夫(ジャーナリスト)、中北浩爾(中央大学教授)
★アンカー:末延吉正(ジャーナリスト/元テレビ朝日政治部長)
(※動画公開は放送から2週間)
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