政府は2日、新型コロナウイルス流行の経験を踏まえ、重大な感染症への対応をまとめた新たな「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」を閣議決定した。2013年に策定された計画を約10年ぶりに抜本的に改定した。平時の備えを充実させ、新型コロナや新型インフルエンザだけでなく、他の呼吸器感染症も念頭に流行の波が繰り返すことを想定した。

新藤義孝感染症危機管理担当相は閣議後会見で「平時からの実効性のある訓練の実施、丁寧な周知広報、国と地方の連携、ガイドラインの作成などの取り組みを進める。引き続き次の感染症危機への対応について万全を期す」と述べた。

新しい計画では「水際対策」「検査」といったテーマを独立させ、13項目を設定。医療逼迫の恐れがある場合には緊急事態宣言を含む措置を必要に応じて講じるなどとした。6年ごとに見直す。

国や都道府県がどう総合調整や指示をするべきか明確化した。複数の感染拡大が生じることを見込んで、対策は機動的に切り替える。ワクチンや治療薬の普及状況に応じた対策の緩和も明記した。国民に情報を伝えるリスクコミュニケーションの体制整備に触れ、偏見や差別、誤情報への対応についても記載した。

専門家らが参加する新型インフルエンザ等対策推進会議で議論を重ね、4月に大筋でまとめていた。意見公募には異例の約19万件が寄せられた。その後、表現の自由に十分配慮しつつ正確な情報を提供するなどの記載が追加された。〔共同〕

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