関東大震災から100年。朝鮮人犠牲者の追悼式で献花する人たち=東京都墨田区の都立横網町公園で2023年9月1日午後2時26分、後藤由耶撮影

 2023年に開かれた「関東大震災朝鮮人・中国人虐殺100年犠牲者追悼大会」の実行委員会が、東京都知事選(7日投開票)の候補者に、毎年9月1日に開かれる朝鮮人犠牲者らの追悼式典に都知事として追悼文を送るかを尋ねたアンケート結果を公表した。主な候補を見ると、現職の小池百合子氏(71)と元航空幕僚長の田母神俊雄氏(75)が「いいえ」と回答。元参院議員の蓮舫氏(56)は「はい」と回答し、見解が分かれた。

 式典は1982年に始まり、歴代の都知事が追悼文を寄せてきたが、小池氏は17年に送付を取りやめている。アンケートは立候補した56人のうち、実行委が連絡先を把握できた44人に送り、今月1日までに小池、田母神、蓮舫各氏を含む計6人から回答があった。

 小池氏は回答で「(都慰霊協会主催の)慰霊大法要において、関東大震災及び大戦で犠牲になられた全ての方々へ哀悼の意を表してきました」とし、対象は「震災による極度の混乱下での事情で犠牲となった方も含め、全ての方々」との認識を示した。

 田母神氏は「式典は反日をあおるだけだと思う。関東大震災という天災に、加害者と被害者を固定化することは行政責任者としてふさわしくない」と回答した。

 蓮舫氏は「関東大震災でせっかく救われた命が人災によって失われました」とし、「追悼文を出さないという姿勢を都のトップが持った場合には、歴史修正主義という見方をされてしまうリスクがある」と理由を記述した。【白川徹】

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