西日本豪雨からまもなく6年。7月2日からは「復興 その先へ」と題し、被災地、倉敷市真備町の復興の道のりと防災対策の今をお伝えします。2日はハード対策についてです。担当は森岡記者です。

(森岡紗衣記者)
「倉敷市は西日本豪雨の翌年、2019年から2023年度末までの5年間を「真備地区復興計画」の中で復興期間として様々な取り組みを行ってきました。中でも大きな対策が、2024年3月に完成した小田川と高梁川の合流点付替え事業です」

Q:ハード対策の一つの節目と言われていますが、具体的にどのような事業なのでしょうか?

(森岡紗衣記者)
「真備町では支流の小田川が増水したことで高梁川の水がせき止められ、水位が上昇するバックウォーター現象が発生、これにより堤防が決壊し大きな被害が出たとされています。この対策として行われた合流点付け替え事業ではこれまでの合流点を約4.6キロ下流に移し、川の流れを緩やかにする効果が期待されています」

(岸下恵介キャスター)
「工事は大がかりなものでしたが、住民の安心度は増しましたね」

(森岡紗衣記者)
「実際に住民もまずは一安心できると話していました。改めて真備町の6年の復興の道のりを振り返ります」

2018年7月6日、西日本を中心に広い範囲で記録的な大雨が降り続き、災害関連死を含め岡山県内で95人が死亡しました。特に被害の大きかった倉敷市真備町では地区全体で8つの堤防が決壊、町の広範囲が水につかりました。災害から6年。着実に復興は進み、まちの姿は大きく変わりました。

(倉敷市 伊東香織市長)
「初めて真備に今来た人は、本当にここで災害があったのかと思うくらいに復興してきたと感じる」

倉敷市の伊東香織市長。真備町を中心にダムの事前放流や貯水タンクの確保など様々な復興事業を進めてきました。

(倉敷市 伊東香織市長)
「一番大きな事業は小田川の合流点付け替え事業。国が元々10年かかるところを5年に短縮して今年の3月に竣工した」

大規模治水対策として倉敷市が国や県と共同で進めてきた小田川と高梁川の合流点付け替え事業。災害直後から、国に対して、事業の早期完了を要望し続けました。

(倉敷市 伊東香織市長)
「大きな災害だったので、まずは治水対策を進めてほしいという住民の思いをとにかく早くかなえるようにした。大きな取り組みを国にしてもらった」

(住民は…)
「3月で(工事を)締めくくってくれた努力は感謝以外の何物でもない。これからが私たちの本番だと思う」
「前の風景とは全く違う。川も大きくて、本当に良くなったと思う。災害があったので、住民一人一人が防災意識を高めていかないといけない」

倉敷市が進めるハード対策の最後の位置付けとなるのが、7月3日に開園する「まびふれあい公園」。決壊した小田川の堤防の上に整備されていて、災害時には備蓄倉庫も備えた避難場所としても活用されます。この公園が災害の記憶を継承し、人々の防災意識を育む真備町の復興のシンボルになってほしいと伊東市長は話します。

(倉敷市 伊東香織市長)
「多くの人がここに来て遊んでもらったり交流をしてもらえる場として、日ごろからは防災教育の場としても使って、いざという時には堤防も丈夫でヘリポートもあるので、緊急時にも対応できる両面の場所として使っていきたい」

(森岡紗衣記者)
「3日のまびふれあい公園の開園をもって真備町のハード対策とはこれで一つの節目を迎えます。今後は、市の進める復興計画では創造期に入ります。伊東市長は災害に強いまち、人が集まる真備町へと今後も取り組みを継続させていきたいと話していました」

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