林芳正官房長官は5日午前の記者会見で、中国の海洋調査船「向陽紅22」が6月、日本最南端の沖ノ鳥島北方の太平洋に位置する日本の大陸棚・四国海盆海域に小型ブイを設置していたことを明らかにした。中国側から説明がないまま設置されたとして、「遺憾だ」と述べた。
林氏によると、日本側は、向陽紅22が東シナ海を航行している段階から動向を監視し、活動目的の詳細な説明を中国側に求めていた。だが、説明があったのはブイ設置後で、津波観測用であり、日本が大陸棚に有する主権的権利を侵害するものではない、などと主張したという。
中国のブイを巡っては、昨年7月、沖縄県・尖閣諸島沖の日本の排他的経済水域(EEZ)内でも「中国」と記載されたブイを設置しており、政府が即時撤去を求めていた。
今回ブイが設置された海域は日本のEEZ外で、上部水域の海洋調査に沿岸国の同意は不要とされているが、海底の資源開発については日本の大陸棚としての主権的権利が認められている。林氏は中国側の意図について「政府として情報収集分析を継続する」と話した。【鈴木悟】
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