7日投開票の東京都知事選は8日未明、開票作業が終了し各候補者の得票が確定した。現職の小池百合子氏(71)が291万8015票を獲得し、3選を果たした。次点の前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)に約126万票の大差をつけた。都民の強固な支持を背景に3期目に臨む。
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「より改革を進めよという都民の声をしっかり受けとめていく。これからも全力で頑張っていく」。小池氏は8日午後、登庁の際に記者団に語った。職員からは花束を受け取り、笑顔を浮かべた。
小池氏の得票数は主要政党が擁立を見送り事実上の信任投票だった前回2020年の約366万票を下回ったものの、立候補者が過去最多の56人と乱立するなかで初当選時の16年の291万2628票と同水準を獲得した。
無党派層の支持を広げた石丸氏は165万8363票を得た。3番目の前参院議員の蓮舫氏(56)は128万3262票だった。
選挙戦で小池氏は自民、公明両党や地域政党「都民ファーストの会」の支援を受けた。政治資金問題を抱える自民党への逆風などを意識し、政党色を抑えて無党派層への支持拡大を図った。
当選確実を決めた7日夜には、小池氏は「8年間の実績を評価していただいた」と勝因に関して述べた。3期目については「東京大改革をバージョンアップしていく」と力を込めた。
次点の石丸氏はSNS(交流サイト)を駆使し、支持層を広げた。ユーチューブやX(旧ツイッター)で街頭演説などの動画を連日配信した。既成政党への不満や政治不信を抱える有権者の一定の受け皿になった。
「反自民党政治、非小池都政」を掲げた蓮舫氏は立憲民主、共産両党の支持層に浸透したものの、無党派層への広がりを欠いた。立民は都知事選を政治資金問題で揺らぐ自民党への攻勢を強める好機と捉えたが、政権批判票を十分に取り込めなかった。
都政の今後の課題としては、進む少子化や激甚化する災害への備えなどが横たわる。東京の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子どもの数)は2023年に0.99と1を割り込み、小池氏が初当選した16年(1.24)から低下に歯止めがかかっていない。
小池氏は3期目の公約として、子育て支援策のさらなる充実や「首都防衛」を掲げた。麻酔を使って陣痛を和らげる「無痛分娩」にかかる費用の助成制度の創設や、首都直下地震へ備えた老朽インフラの更新などにも取り組む。3期目へ向け、結果が問われる。
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